Report2010
犬養道子代表より基金報告
難民支援協会からの報告
2010年 収支報告 

Report2009
運営委員会より活動報告
難民支援協会からの報告
2009年 収支報告 

Report2009上半期
犬養道子代表より基金報告

Report2008
犬養道子代表より基金報告
平野委員長からの報告

2008年 収支報告

【条約難民への支援】
 ・スグレさんからの報告
 ・ヘイマーさんからの報告

Report2007
犬養道子代表より基金報告
平野委員長からの報告

カクマ難民キャンプ訪問記
Tシャツ頒布のご報告
2007年 収支報告

【条約難民への支援】
 ・スグレさんからの報告
 ・ヘイマーさんからの報告

Report2006
犬養道子代表より基金報告
平野委員長からの報告
2006年 収支報告
【条約難民への支援】
 ・スグレさんからの報告
 ・ヘイマーさんからの報告


Report2005

犬養道子代表より基金報告
平野委員長からの報告
2005年 収支報告
【条約難民への支援】
 ・スグレさんからの報告
 ・ヘイマーさんからの報告

  

 

 

 

 

 

 


Report [条約難民への支援]

◆スグレ・アブカル・ハッサンさんからの近況報告

(2007年12月末)

犬養道子基金の皆様

新鮮な牛乳やチーズ、バターを食べられるような素晴らしい環境のなかで勉強することができて私はとても幸せです。自分の国にいるようにさえ感じます。

私はウシ亜科人口受精(IVF)とウシの未成熟卵子の超急速ガラス化法に関する優れた技術について研究しています。

 

 今年の8月に、私は北海道大学で開催された北海道胚移植学会に参加し、日本語の論文を発表しました。また、2008年1月5日から10日までの期間にアメリカのフロリダで開催される国際胚移植学会の年次大会へ、論文の要旨を2つ提出し、両方とも受理されました。博士論文の執筆に専念しているため、私がこの学会に参加する予定はありませんが、私の指導教授が代わりに参加する予定です。学会へ送付した私の要旨の題目は、1. Effect of pre-equilibration time on the survival rate of matured bovine oocytes after vitrification and on subsequent embryo development、2. Effect of pre-equilibration time on the survival rate of IVF bovine embryos after vitrificationです。

以下に、私が日本語で発表した論文の要旨を添付致しますので、研究内容をご理解いただければと思います。

スグレ・アブカル・ハッサン

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論文の要約

 ヒト臨床用超急速ガラス化容器であるクライオトップを用いた超急速ガラス化法がウシ未成熟卵子の成熟および胚発生に及ぼす卵丘細胞の影響を検討した。実験には、食肉処理場由来ウシ卵巣より採取した卵丘細胞卵子複合体(COC)を用いた。実験1では卵丘細胞の有無およびクライオトップを用いた超急速ガラス化処理がウシ未成熟卵子の透明帯破損および胚発生率に及ぼす影響を調査した。0.2%ヒアルロニタ-ゼ添加D-PBSで卵丘細胞を除去後、未成熟卵子をクライオトップでガラス化した。ガラス化溶液は20%CS+TCM-199を基本液とした15%エチレングリコ-ル+15%ジメチルスルホキシド+0.5Mショ糖を用いた。融解後、体外成熟培養、体外受精および体外発生培養を行った。体外発生培養開始後48時間目に卵割率、9日目(媒精=0)に胚盤胞発生率を調べた。実験2では卵丘細胞の有無がクライオトップを用いた超急速ガラス化法がウシ未成熟卵子の成熟率および受精率に及ぼす影響について調査した。体外成熟培養後および体外発生培養開始直前に核相検査によって調べた。試験区は卵丘細胞の有無およびガラス化の有無により4区に分けて行った(卵丘(+)ガラス化(-)区、卵丘(+)ガラス化(+)区、卵丘(-)ガラス化(+)区、卵丘(-)ガラス化(-)区)。このうち対照区はガラス化を行わなかったガラス化(-)区とした。その結果、実験1では透明帯破損率は卵丘(+)ガラス化(+)区で確認された(1.1%)。卵割率は、卵丘(+)ガラス化(-)区64.6%、卵丘(+)ガラス化(+)区6.7%、卵丘(-)ガラス化(+)区6.3%、卵丘(-)ガラス化(-)区26.7%で、全ての試験区は対照区の卵丘(+)ガラス化(-)区よりも有意に低値であった(p<0.01)。胚盤胞発生率はガラス化(+)区が対照区に比べ低く、全ての試験区相互の間に有意の差が認められた(p<0.01)。実験2では成熟率はガラス化の有無に関係なく卵丘(+)が卵丘(-)区に比べ高かった。対照区では卵丘の有無により有意な差が認められた(p<0.05)。全ての試験区で50%以上の精子侵入率が認められた。未受精率および雌雄前核形成率では全ての試験区間に差は認められなかった。以上の結果よりクライオトップを用いたウシ未成熟卵子の超急速ガラス化は、卵丘細胞の有無に関わらず発生率が低いことが示された。また、未成熟卵子の成熟および胚発生には卵丘細胞の付着が重要であり、ガラス化保存の場合も卵丘細胞の必要性が示された。

 

 


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