Report2011
犬養道子代表より基金報告
犬養道子さんとの再会(松村氏)
難民支援協会からの報告
2011年 収支報告
平野委員長からの報告

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Report [事業報告]

◆2011年 犬養道子基金報告

 

基金ご支援の皆様へ

 本年2011年3月半ばを以て、日本国の関東・東北一帯は変わりました。史上最悪の悲劇惨劇、死傷者おびただしく。御寄付者皆様の御住所と御名を調べてみますと、最悪地点のみで十九名。関東・東北一帯ではかるく二百、三百名と思われ、いかがお過ごしかと心痛め続ける日々。加えて原発問題を中心とする未曾有の被害は全国に及びました。

 それらにもかかわらず、驚かされたのは基金への御寄付が平年通り続けられていることで、なんと御礼申し上げてよいか言葉を失います。中でもうれしかったのは、北海道在の支援団体が主催した東日本大震災支援のための「朗読劇」に札幌にある三つの高校の生徒たちが出演してその収益を送ってくださったこと。

 皆様からの御寄付は、びた一文おろそかにせず「難の人々」のために使わせて頂きます。国内の被災の方々向けにはどこまで、どれだけ、どのように貴重な御寄付を使うかを難民支援協会と検討中です。

このご報告の中心点は、犬養基金自体の変化について。一言にすると、基金委員たちの高齢化や病気による欠席増加。若い方々からは仕事に参加したいとのお申し出はあるも、当今の経済、就労事情にからむ当然のこととして「無給奉仕」は不可能。

 協議の末、ゆきついた一つの方策は、「あくまで犬養基金の目的、目標を失わず」、委員四名が健在中は今のまま。そののちは「事務一切を国連内の難民高等弁務官事務所(UNHCR協会)におまかせする」。

 幸、犬養基金と同一の目標を持つ東京在のHCRには三十年余に及ぶ友交、友情関係があります。この方策採用の可否をめぐっては近々基金側全員とHCR側(旧友二名出席)の会合を開く予定。

 善い新しいニュースは、アフリカ歴二十六年(UNFAO食料・農業部の西アフリカ主任)、犬養とはアフリカ時代から旧知の松村裕幸氏が基金委員によろこんで参加してくださること。昨2010年春帰国され、母校上智大学の学生たちにアフリカ事情を話したりしておられます。「来年度はどこに麦何トン必要。水は1トン車百台分では不足。ではどうするか・・・」など。援助とはきわめて具体的な仕事なのです。

 もひとつの善いニュースは、以前報告書にも書きました曾てのヴェトナム・ボートピープルのひとりが二十数年余の言語に絶する努力、労苦の末、ついに日本国籍を得ていまは日本国代表医学者として、なんと、祖国ヴェトナムに公式に度々赴き、ヴェトナムの医師希望者たちに心臓病患者(児童を含む)をどう扱うか、どう癒すかを指導することになった一事。日本政府もよろこんで旅費、医療費を援助。日本の新聞も大きく扱いました。

 ヨーロッパ在難民援助は、皆さまに度々ご報告申し上げたJRS(イエズス会難民サービス)を通して今も今後も続けます。各国、次第に「対難民のドアを閉めはじめる」いま、「各国政府に働きかける」なども含めてJRSヨーロッパ本部は積極的です。犬養とは月に一回必ずれんらく。三十年の「友人関係」ですから。

 以上、簡単ながらご報告申し上げます。  心からの感謝を以って。

2011年秋    犬養道子

追記: 本稿とはいささかずれますが、いま、全世界の大問題の一は「水」です。そして人は、生物みなは生活上、水を不可欠とします。地球上に人が住み始めてから人数60倍以上になった今日も、与えられている水の量は変わりません。ですから不足の分は下水を含めての全ての使用済みの汚水処理にたよっている。大河はナイルをはじめ水量を減らし続けています。アフリカその他の地の子らの死は「かわいて死ぬ」死となりました。詳細は別に書きますが、「水バケツ一杯運動」を起こしたく思っています。


 


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