Report2015
犬養道子代表より基金報告
難民支援協会からの報告
2015年 収支報告
平野委員長からの報告

戻る


Report [事業報告]

◆2015年 犬養道子基金報告

 

基金ご支援の皆様へ

 本年もあと数週間を残すのみとなってまいりました。 皆様,この一年、いかがお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか。世界情勢はますます複雑になり、今年は11月14日のパリでの衝撃的な同時多発テロをきっかけに、フランス大統領をして「これはイスラム国との戦争だ」と言わしめた混乱を招きました。

 そして「イスラム国」を巡る各国の利害の衝突からシリア国内外に難民を生むことになっています。今世紀最悪の難民の流出といわれるシリアからの難民をドイツ、フランス、はじめヨーロッパ域内ではもはや対応を続けることが困難になってきています。難民受け入れに前向きに対処して来ていたドイツにおいても、国内に治安上、労働市場等の観点から受け入れ反対の動きが出てきています。

 他方、世界的な難民問題に対して、日本国は受け入れに消極的です。日本に対する難民申請は、2014年には、5000人に達しましたが、認定されたのは、わずか11人!「難民認定率」は2%そこそこです。11月末、訪日中のアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、「日本はどの国からも信頼されている世界でも稀な国であり、外交面でより積極的な役割を担ってもらいたい」と、日本の紛争解決に向けた取り組みや人道支援の拡大、企業やNGO、市民が難民の雇用などに積極的にかかわることに期待を示しました。

 このような難民を囲む状況下、犬養基金は、当初から広く内外に開かれた組織として支援活動を続けております。すなわち、海外においては、ヨーロッパはもちろんのこと、アフリカ、中東、アジア、南米にまで広く駐在拠点を展開するJRS(イエズス会難民センター)を通して生活支援、教育支援を実行しております。また国内については難民支援協会を通じ、日本にたどり着いた難民の必要とする「法的支援」、「生活・医療支援」、「教育支援」を実行しております。特筆すべきは「医療支援」です。この医療支援は聖路加国際病院を初めとするいくつかの病院の御協力のもと、内科、外科、精神科、眼科、産婦人科などあらゆる疾患に対応し支援しております。
 このように、本年も引き続き、活動することが出来ましたのも、皆様の変わらぬ温かいご支援、ご協力の賜物と厚く御礼申し上げます。

 わたくし自身、昨年より幾分、気分よく過ごしておりますが、思うような活動が出来ず、申し訳なく思っております。
 これから、年末、年始にかけて、どうか豊かなときを過ごされますように、そして難民や難民申請者の皆さんにも温かい思いをお寄せくださいますようお願い申し上げます。
 ここに、2015年の報告書をお届けすると共に、来るべき新しい年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

 心からの感謝をもって。

2015年12月1日 犬養道子

 


(C) Michiko Inukai Foundation