Report2015
犬養道子代表より基金報告
難民支援協会からの報告
2015年 収支報告
平野委員長からの報告

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Report [難民支援協会からの報告]

写真提供−難民支援協会

 シリアの情勢不安などにより、母国での迫害の恐れから他国に保護を求める難民は増加の一途をたどっており、UNHCRの発表によれば2014年末の時点で5950万人が紛争によって家を追われたとしている。

 日本でも同様に難民は増加しており、2014年は過去最多となる5000件の難民認定申請がされたが、2015年も過去最多の申請件数になることが確実といわれている。難民支援協会が把握する限り、東京入管だけでも10月末の段階で4600件を超えており、2014年の同時期よりも1000件以上多い申請件数になっている。

 難民支援協会に支援を求める難民は累計で4900名を超えている。11月16日現在、2015年に新たに支援を求めた難民は330件を含め、443名に対し支援を提供している。法的支援は443名に対し、791件実施した。そのうち特に保護の必要性が高いものや、専門的な支援が必要と思われた26ケースに弁護士を紹介した。また、あるシリア難民男性が人道配慮を受けたが、制度上家族を日本に呼ぶことが極めて難しかったところ、難民支援協会の支援を通じて、2015年1月に2年半ぶりに家族との再会を果たすことができた。

 生活支援の現場では難民の持っている力を引き出すことに着目し、本人の相談に寄り添い、一緒になって今後の生活を考えるというアプローチをとっている。
 そのうえで、本人の力を出すために必要と思われる範囲で生活費の支援、シェルターの提供、物資の提供、そして多団体への紹介など必要な支援を提供している。

 事務所内で難民と直接相談に対応したのは、348名に対し延べ950件となり、その後166名、360件の生活費の支給を実施している。また医療費の支援は121名、279件、病院の同行は91名に対し276件実施した。シェルターの提供は関連団体が所有するもののほかに、独立行政法人福祉医療機構からの助成を受け、19部屋を提供している。2015年1月から40名にシェルターの提供を行っており、上記シェルターはすべて稼働している状況である。

 また、事務所で食料を提供できるよう、セカンドハーベストジャパンと連携し、毎週1度食料の提供を受け難民に配布しているほか、他の支援団体から毛布の提供などを受け、防寒できるようにしている。また、ベビーカーや衣料品など、ニーズの多いものは一般からの寄付を受け取るなどして、少しでも難民の置かれた状況が改善されるように努めている。

【難民支援協会のURLはこちら

Report [医療支援に関する報告]

 母国での迫害を逃れ、来日する難民(難民申請者、庇護希望者を含む)の数は年々増加の一途をたどっている。昨年2013年の難民申請者数は3,260人に上り過去最多記録を更新したが、2014年は昨年を上回る勢いで申請者数が伸びており4000件に達する見込みである。その一方、難民として認定され安定した在留資格が得られる者は非常に少なく、平均約3年かかる認定申請手続きの結果、昨年難民として認定された人数は昨年わずか6人にとどまった。
 来日後まもなく当会を来訪する難民は、その多くが日本での生活の基盤がまだ固まっておらず、就労もできないために経済的に困窮している。逃れてきた日本において、特に初めての冬を経験する難民にとって、暖を取って安心して眠れる住居がなく、真冬にホームレスとなって屋外で滞在することは命にもかかわることになる。就労資格を持たない難民申請者にとって命綱ともいえる公的支援金(外務省の保護費)は、支給までに3〜4ヶ月を要す場合が多く、住居がない場合でも、公的支援につながるまで2ヶ月はかかっている状況。
 その結果、日本のセーフティネットからこぼれ落ち、ホームレスにならざるを得ない状況にある難民も増えている。このような生活環境の中で、体調を崩す者も多く、スタッフが緊急的に医療機関へ連れていくケースも複数出ている。疾患も頭痛・腹痛、うつ病や重い感染症と多岐にわたっていて、難民申請者数がさらに増えている中では、今後このような健康相談はもっと増えていく見込みである。
 このように、医療機関を受診したくても経済的理由により受診ができない難民に対し、犬養道子基金からの厚いご支援により弊会が計60名の難民に合計2,848,094円の医療費を支援することができた。皆様からの温かいご支援を現場で大切に活用させて頂いております。本当にありがとうございます。

■2015年の基金からの医療支援金支援内訳

対象者

受診科目

ご支援金額

1 女性、東アフリカ出身 産婦人科(3回) \14,190
2 女性、西アフリカ出身 産婦人科(3回) \48,900
3 男性、西アフリカ出身 呼吸器科(3回) \12,950
4 男性、西アフリカ出身 薬代 \1,381
5 男性、西アジア出身 内科 \50,000
6 女性、西アジア出身 内科 \7,950
7 女性、西アフリカ出身 産婦人科 \8,000
8 男性、南アジア出身 整形外科(2回) \25,530
9 男性、西アフリカ 薬代 \1,008
10 男性、西アジア 内科 \51,230
11 男性、西アフリカ出身 眼科(3回) \2,830
12 男性、西アフリカ出身 薬代 \2,500
13 男性、西アフリカ出身 内科(3回) \5,162
14 女性、中部アフリカ出身 薬代 \1,296
15 男性、南アジア出身 内科 \25,953
16 男性、北アフリカ出身 内科 \1,382
17 男性、東南アジア出身 呼吸器科(3回)、薬代 \4,092
18 男性、西アジア出身 歯科、内科、整形外科、産婦人科(妻) \58,960
19 女性、中部アフリカ出身 産婦人科(3回) \176,420
20 男性、ユーラシア北部出身 内科 \5,960
21 女性、中部アフリカ出身 産婦人科(20回) \282,050
22 女性、中部アフリカ出身 産婦人科(3回) \106,790
23 女性、東アフリカ出身 内科(11回) \164,012
24 女性、東南アジア出身 産婦人科(2回) \37,960
25 男性、東南アジア出身 精神科(5回) \7,920
26 女性、中部アフリカ出身 産婦人科 \9,410
27 男性、南アジア出身 診断書 \5,400
28 男性、南アジア出身 整形外科(2回) \3,720
29 男性、西アジア出身 精神科(3回) \4,250
30 女性、東南アジア出身 精神科、歯科、薬代 \42,360
31 女性、東アフリカ出身 内科、婦人科、皮膚科 \248,360
32 男性、中部アフリカ出身 外科 \3,870
33 男性、西アフリカ出身 整形外科(2回) \11,340
34 男性、西アフリカ出身 整形外科(2回) \10,710
35 男性、西アフリカ出身 薬代 \910
36 男性、西アフリカ出身 皮膚科(2回) \7,060
37 女性、東南アジア出身 医療品代 \26,320
38 女性、西アフリカ出身 産婦人科(3回) \19,060
39 男性、西アフリカ出身 循環器科 \5,000
40 男性、西アジア出身 歯科 \6,652
41 女性、西アジア出身 産婦人科 \3,430
42 男性、西アジア出身 精神科(4回) \6,350
43 女性、西アジア出身 産婦人科(8回) \12,890
44 男性、西アジア出身 精神科(6回) \45,060
45 男性、西アフリカ出身 薬代 \537
46 男性、西アジア出身 泌尿器科 \14,070
47 男性、西アフリカ出身 内科 \4,700
48 女性、西アジア出身 精神科 \41,298
49 男性、北アフリカ出身 薬代、整形外科 \4,825
50 男性、西アフリカ出身 内科 \21,500
51 男性、西アジア出身 外科 \6,400
52 男性、西アフリカ出身 整形外科(2回) \15,255
53 男性、中部アフリカ出身 呼吸器科(4回) \16,356
54 男性、西アフリカ出身 整形外科 \1,080
55 女性、東南アジア出身 産婦人科(9回) \45,000
56 男性、西アジア出身 歯科、整形外科、内科 \17,030
57 男性、西アジア出身 精神科、内科、消化器科 \134,562
58 男性、南アメリカ出身 整形外科 \22,280
59 男性、ユーラシア出身 内科(2回) \4,400
60 男性、西アジア出身 歯科 \2,930
61 男性、南アジア出身 内科、眼科 \30,070
62 男性、西アフリカ出身 薬代 \1,250
63 女性、中部アフリカ出身 産婦人科(5回) \227,389
64 男性、西アフリカ出身 泌尿器科 \700
65 男性、西アジア出身 精神科(2回) \6,480
66 男性、西アフリカ出身 薬代 \1,250
67 男性、無国籍 内科、皮膚科 \27,170
68 男性、西アフリカ出身 薬代 \700
69 女性、西アジア出身 内科、歯科 \4,090
70 男性、西アジア出身 内科 \8,460
71 男性、西アジア出身 内科 \1,780
72 男性、東南アジア出身 内科(3回) \13,090
    合計金額 \2,251,230

 

 


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