Report2016
犬養道子代表より基金報告
難民支援協会からの報告
2016年 収支報告
平野委員長からの報告

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Report [認定NPO法人 難民支援協会(JAR)からの報告]

犬養基金の皆様からのご支援をいただき、
困難な状況にある難民の命をつなぐ支援へ

 認定NPO 法人難民支援協会は、日本に逃れた難民を支援するために1999 年に立ち上げた支援組織です。2000 年より国連難民高等弁務官事務所のパートナー団体として連携して支援にあたっています。2005 年より、日本に滞在する難民の大学、大学院進学のご支援を犬養道子基金から頂いたことを機に連携が始まりました。ミャンマーからの難民の子女の大学卒業まで、またソマリアからの難民が酪農大学大学院で博士号を取得するまでをご支援頂きました。犬養道子代表が日本におけるインドシナ難民の受け入れの際も支援に関わられたこと、また日本の難民のおかれている状況に懸念と共感を示してくださったこともあり、2006 年からは連携がさらに深まり、弊会の活動へのご支援、医療費へのご支援をいただくようになりました。難民として日本へ逃れても多くが長い審査を経ても認定されず、帰国するように言われてしまうこと、審査の結果を待つ間最低限の生活保障がなくホームレスとなり、冬の寒い中家にも入れないことなど困難な状況に犬養道子代表をはじめ、運営委員の皆さまが大変共感をしてくださったことが、支援に繋がっていると考えております。皆さまのご支援もあわせて、昨年度は66 か国から680 人の難民へ支援を届けることができました。71 人にシェルターを提供、また医療支援は111 人へ提供しております。

















 この10 年間で日本へ逃れてくる人は2005 年の384 人から、2015 年には7686 人と約20 倍になっています。一方、難民として認定されるためには審査が必要で、認定される人は本当にごくわずかで昨年は27 人。多くの人は命の危険がある母国への帰国に向き合わなくてはなりません。手続きには平均3年を要し、その間の最低限の生活も保障されていません。

 皆さまのご支援で、このような困難な状況にある難民の人たちのかけがえのない命をつなぐ支援が可能になっております。加えて、難民を受け入れられる社会を目指し、個人、地域、企業、政府など、社会を構成する人たちへ働きかけてまいります。

 改めまして、10 年以上にわたるこれまでの皆さまからのご支援にお礼申し上げるとともに、より一層のご関心、ご支援を頂戴できましたら大変幸甚です。

認定NPO 法人 難民支援協会 代表理事 石川えり

Report [医療支援に関する報告]

 2015 年の難民申請者数は7586 人を記録し、5年連続で過去最多を更新しました。2016 年も難民申請者数は増加しており、今年も過去最多記録を更新する見込みです。2015 年9 月には法務省が難民認定制度の見直しを行い、申請者の就労制限や難民申請の再申請の制限などが開始されました。この施策のため、就労ができず生活が困窮する方、収容の不安を抱える方が多く難民支援協会に来訪しました。来日間もなく難民支援協会にいらっしゃる方の中には、泊まる場所がなく1 か月以上の間、路上や公園、モスクなどで難民支援協会が所有するシェルターの空室を待つ方も多くいらっしゃいました。ホームレスの期間が長引くにつれ、体調不良を訴え病院の受診を希望されるケースも少なくありません。そのような方々は、国民健康保険に加入できない方がほとんどです。

 また、来日後数年が経過し自立していた方も、体調を崩し就労ができなくなり、国民健康保険を持っていても自己負担分の医療費が工面できず支援を求めるケースが多くありました。医療機関への受診が遅くなることによって更に健康状況が悪化し、手術を避けられなくなるケース、就労を継続できなくなるケースがあり、早期の受診が必要になります。

 犬養道子基金からのご支援により、このような方々の多くが医療機関で受診することができ、また薬を購入することができました。2016 年4 月1 日から10 月31 日までの期間に計43 名の難民に合計770,423 円の医療費を支援しております。皆様からの温かいご支援に心からお礼申し上げます。


















■2016年の基金からの医療支援金支援内訳

対象者

受診科目

ご支援金額

1 女性、西アフリカ出身 内科 \2,900
2 男性、西アフリカ出身 薬代(6回分) \13,662
3 男性、中部アフリカ出身 文書料 \1,080
4 女性、東アフリカ出身 呼吸器内科、外科 \98,930
5 男性、中東出身 精神科、薬代(10回分) \14,640
6 女性、東南アジア出身 神経内科 \3,240
7 男性、南米出身 整形外科、歯科治療費 \12,140
8 男性、中東出身 神経内科 \8,180
9 男性、西アフリカ出身 歯科代(2回) \11,020
10 女性、中東出身 眼科、精神科 \27,040
11 男性、中東出身 整形外科、診断書代 \15,450
12 女性、東アフリカ出身 産婦人科、腎臓内科 \19,560
13 女性、中部アフリカ出身 産婦人科科 \13,500
14 女性、中部アフリカ出身 産婦人科代 \43,390
15 男性、北アフリカ出身 歯科科 \9,540
16 男性、中部アフリカ出身 薬科 \411
17 男性、南アジア出身 眼科 \13,750
18 男性、北アジア出身 救急車搬送、内科 \16,376
19 女性、西アフリカ出身 歯科 \10,460
20 女性、東アフリカ出身 内科 \2,410
21 男性、中部アフリカ出身 薬代 \1,045
22 男性、南アジア出身 薬代(5回) \31,790
23 女性、中部アフリカ出身 産婦人科 \10,400
24 男性、東南アジア出身 肝臓内科(3回分) \78,692
25 男性、東欧出身 精神科、心療内科(3回) \8,820
26 女性、東アフリカ出身 薬代(7回分) \145,130
27 男性、東南アジア出身 歯科 \5,400
28 男性、南アジア出身 薬代 \1,360
29 男性、中部アフリカ出身 薬代(2回) \2,265
30 女性、東南アジア出身 精神科、内科 \3,310
31 男性、西アジア出身 薬代(3回) \24,032
32 女性、東南アジア出身 小児科 \5,000
33 男性、西アジア出身 歯科(2回)、薬代(4回) \94,319
34 男性、中部アフリカ出身 眼科 \18,770
35 女性、中部アフリカ出身 歯科 \2,980
36 男性、中部アフリカ出身 整形外科(2回) \9,410
37 男性、北アフリカ出身 不明(14回) \50,240
38 男性、中東出身 入院代 \50,000
39 男性、北アフリカ出身 内科 \1,600
40 男性、中東出身 歯科 \13,000
41 女性、西アフリカ出身 小児科 \25,450
42 女性、東南アジア出身 産婦人科科 \5,160
43 夫婦、西アジア出身 診断書代 \1,080
44 返金金額 \133,590
    合計金額 \770,423

 

 


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