News [メディアから]

 日本で博士号を取得したソマリア難民
スグレ・アブカル・ハッサンさん

「農学博士号取得が決まり、まず母に電話した。喜んでくれた。」

 日本に数人しかいないソマリア難民の一人。母親も祖国を出て、ケニアの難民キャンプにいる。

 

難民支援の「犬養道子基金」第1期奨学生として、北海道別府市の酪農学園大学大学院に入学し、博士課程で3年間学んだ。12日、在日の難民では初めてという博士号が授与された。 

 

 札幌在住の支援者は「寡黙な頑張り屋。冬の寒さはつらそうだったが、自分の研究のほか、研究室の手伝い、後輩の指導と何でもやっていた。」と評価する。

 高校卒業後の89年、戦乱の祖国を離れた。バンクラディッシュの大学で農学と獣医学を学び、修士号まで取ったが、内戦の激化で戻れなくなった。

 

 研究を続けるため99年に来日。健康や経済的な理由で学業をあきらめかけたが、05年に犬養基金の支援が決まり、酪農学園大学へ。専門は家畜の人口受精だ。

 

 ソマリアの基幹産業は農業と酪農。「農業技術者が足りない祖国で、畜産酪農の振興に尽くすのが夢」というが、帰国の日は決まらない。いまは国際機関への就職を希望し、当面は大学院に助手として残るつもりだ。

 

 自分と同じ境遇で、学びたいと思う人は数多いはず。だが、日本の何仁受け入れの実績は欧米と比べると、まだまだ少ない。「もっと受け入れてほしい。大切にされれば難民は必ず恩を返します」

 

2008年3月13日 朝日新聞 掲載記事より

 


(C) Michiko Inukai Foundation